オンライン研修とは
オンライン研修とは、ZOOMやWEBexなどのWeb会議システムなどを用い、パソコンやスマートフォンなどのディバイスを通じてオンラインで受講できる研修を言います。会場などに出向いて参加するこれまでのリアルで開催される研修とは異なり制限もありますが、オンラインならではのメリットもあります。次の項でご説明していきます。
オンライン研修のメリットとは
オンラインで研修を行うメリットは、ネットワーク環境とパソコンなど会議システムを導入できるディバイスがあれば受講者の顔が国内外のどこからでも参加が可能なことです。中途採用を含め新人研修を行う際にメリットは多いといえます。
① 費用と時間のカット
■受講者や講師の「移動費」や「宿泊費」などのコストを削減できる
オンライン研修であれば、ネットワーク環境が準備されていれば、研修会場への「移動費」や遠方からの参加の場合「宿泊費」も基本的に不要になります。
ただ、オンライン研修に必要なパソコンなどのディバイスやネットワークの環境がない場合は環境を整える費用が必要となるため受講する新入社員の研修環境を事前確認する必要はあります。
■受講者や講師の「移動時間」を削減できる
オンラインであれば、会場まで移動しなくても参加できるため、移動時間を考慮する必要がなくなります。サービス業など人員確保が課題になっている企業にとっては、業務と教育の両立が行えるよい策となります。
② 勤務地による教育の技術や機会の格差を均一にできる
オンラインでウェビナー形式(座学式)で開催するの場合、1人の講師が1度に数百人単位の受講者に対してオンライン研修をおこなうことができるため、参加者は専門知識の高い社内の講師の研修を地域の教育格差を生むことなく、平等に受けることができます。
質疑応答も、リアル開催を行うより1対1での質問のように感じられる点も利点といえます。
③ 録画すれば研修内容を簡単にフォローアップ
研修をレコーディングしておけば、参加できなかった新入社員や、受講した新入社員の復習用として映像を共有することができます。
ZOOMで有料アカウントで開催された場合は、自動または手動でレコーディングする際に「クラウド保存」すれば、URLを共有するだけで閲覧が可能になります。※無料アカウントは不可
この機能を利用した場合は、視聴期間を設定したり、ZOOMへのログインを求めるなどある程度の制限を設けることが可能です。
また「クラウド保存」ではない別の方法では、「ローカル保存」であれば、編集することができます。この収録データを共有するには、サーバーにアップロードしたり、YouTubeに非公開として共有するなどで対応する必要があります。
収録動画の活用ポイント
① オンライン研修の「座学部分」は収録動画を利用する
新入社員の研修で「座学の部分」を事前に収録しておき、オンライン研修時に利用するとで運用負荷が軽減されます。
・同じ情報を共有できる
講師の方も都度お話しされる方が良い方もいっらっしゃると思いますが、お話しをされる度に、話す内容に過不足がでてきて情報に差が出てきてしまうケースがあり、受講者に同じ情報を提供できる利点があります。
・時間配分しやすい
限られたスケジュール内に研修を行う場合、時間配分もしやすい利点があります。
これらの課題がある場合は特に収録動画を作り活用をご検討されるのをオススメしております。
② 別のプラットフォームでも活用する
オンライン研修に限らず、動画を管理できるシステムがあれば別で利用することも可能です。
特に、eラーニングシステムを導入されている場合は、そちらで活用できる場合もあるかと思います。eラーニングのコンテンツ制作のサポートとなる可能性もあり、リソースや経費の削減にも役立ちます。
オンライン研修を成功させる重要なポイントは「事前準備」
・利用するオンライン会議システムの操作マニュアルの準備
オンライン研修受講するために必要なオンライン会議システムのインストール方法、アカウント設定、最低限必要な操作マニュアルを用意しておくと良いでしょう。受講者がオンライン研修に不慣れでオンライン研修の進行に懸念がある場合は、事前にテクニカルトレーニングにも対応できるよう準備しておくとよいでしょう
・コンパクトなタイムスケジュール設計
オンライン研修は、自宅で一人という環境のため強制力も無く、パソコン画面を見続ける状況のため集中力の維持がしにくい傾向があります。
オンライン研修の1コマの時間を短縮し休憩を挟んだり、座学は午前中の数時間、午後はディスカッションや個人ワークやグループワークなど工夫が必要です。
・進行補助役(オペレーターやチャット対応者)をおく
「オンライン研修」を円滑に進めるために、講師や進行役以外にも、オンライン会議システムに精通した人を進行の補助役(配信オペレーター)がいると安心して配信が行えます。研修中の機材トラブルや受講者側のトラブル対応に対処できると、講師や進行役は講座を進めることに集中でき、参加している受講者も安心して研修が受けることができます。
ワークの設計ポイントは?
・参加者にとって無理のない研修スケジュールを
まだ会社に慣れていない新入社員は、覚えることも多いためオンライン研修で不安に感じることも多いはずです。講師は、新入社員の様子がしっかりと覗えない面もありますので、理解出来ているか確認しながら、スピードゆっくりと進められるスケジューリングが重要です。
・電話対応研修は「ビデオ機能をオフ」にして
「座学」などは顔がでている「ビデオ機能オン」で、受講者の顔が見れる状態が望ましいと思います。ただ、電話研修を行う際は、実際の電話同様に顔が見えない状態を作り出せるのもオンライン研修の利点でもあります。ぜひ電話対応の研修を行う場合はビデオ機能を「オフ」することをオススメします。
・Googleドキュメントを利用して研修のフィードバックをみんなで共有
オンライン研修では、リアル会場での研修と異なりホワイトボード等がないと思われると思いますが、Zoomの機能にある「ホワイトボード」や、Googleが無料で提供している「Google ドキュメント」で話し合いの内容を共有すると便利です。記載した後の内容もURLの共有できます。
受講者へのフォローアップのポイントは?
受講者を受けっぱなしにせずに、フィードバックの機会や時間を作ることが重要です。全体を通して研修を通して得られたこと、理解したことを確認し、随時フォローアップしていくで研修がより快適で実のある内容となるでしょう。具体的には下記のようなフォローを中心に考えていきましょう。
①「研修前」のフォローアップ
自宅など、ひとりの環境で受けることが多いため事前に何を用意したら良いのか、ネットワークの環境などのトラブルでオンライン研修に参加できないトラブルに見舞われることもあるでしょう。
受講者に気持ちよく参加していただくために、運営事務局が行うべき事前フォロー項目です。
・必要に応じて「テクニカルトレーニング」を実施
受講者によっては、オンライン研修に不慣れな方もいます。事前にZOOMなど利用するシステムの操作講習(接続方法、マイクやカメラのオン/オフ、チャット操作、オンライン上での資料の共有方法など)を開くことで安心してオンライン研修に参加していただけます。
・オンライン研修に必要な機器やネットワーク環境の確認
受講者の受講環境や持っている機器(パソコンやイヤフォンマイクなど)が同じではない場合もあると思います。
パソコンに「カメラ」が付いているかや、「イヤフォンにマイク機能」が付いているか?ネットワーク環境が安定な環境か?など受講者の受講環境の確認をしておきましょう。
・受講内容や日時の告知やリマインド
開催1週間前、前日、1時間前などに、事前に「受講時に必要な物」や「日程」のメールなどでリマインドをしておきましょう。
【ZOOM機能を利用する方法】
有料プランでウェビナーを利用する場合:ウェビナーを登録する際に「出席者とパネリスト宛のリマインダー メール」を設定しておくと、受講者が登録したメールアドレス宛にリマインドメールが届きます。
ZOOMのリマインド機能を設定する場合:デスクトップ通知を受信する方法です。まず、ZOOMのアカウントオーナーまたは管理者がZoom ウェブポータルにサインインします。[アカウント設定] ⇒[ミーティング] タブから、[次回のミーティングのリマインダー機能付き]をオンにし手設定できます。
②「研修中」のフォローアップ
研修中に疑問点があった場合以外にも、会議システムに入れなくなってしまった等に備えて個別で連絡できる先を作っておくのも良いでしょう。
チャットの場合は、全体へメッセージが配信される仕組みにするか、開催者のみにしか配信されないようにするかは、ウェビナー登録時に設定が可能です。
③「研修後」のフォローアップ
研修後、受講者に成果レポートや受講についての満足度アンケートを提出してもらいましょう。
また、アンケートで不満をもった受講者へはコミュニケーションをとり不満解消のためのサポートを検討するなど、研修内容や体制を見直していくヒントと拾い上げて改善していきましょう。
オンライン研修の注意点とは
実習型の研修内容は不向き
オンライン研修時は、「座学式」の研修に向いています。そのため「実習型」の研修については、予備知識として動画など事前に撮影録画した研修用動画を用意し一連の工程を説明のみが基本となります。実践はリアルでの対応ができるようスケジュールを組む必要があります。
受講者の集中力の維持
リアル開催と違い、強制力が低くなり、淡々とオンラインの動画を視聴している状態になるため受講者の集中力が維持しにくい傾向にあります。
オンライン研修の進行プログラムを工夫する必要があります。
例として、
・セクションを細かく切って1講座の時間を短縮する
・ビデオを「オン」にして受講者の顔を出して受講する
・ZOOMの場合、投票機能などを利用し定期的に考えさせる機会を作る
・チャットを活用し双方向性を作る
・ZOOMのブレイクアウトルーム機能を利用し、受講者同士で会話(コミュニケーション)がとれる場を作る
などです。それぞれの講座の中で工夫していきましょう。
盛り上がる工夫が必要
リアル開催と比べると、受講者の反応がわかりにくいため盛り上がる工夫が必要です。受講者同士、講師のコミュニケーションがとれるようにする工夫は必要ですが、些細なことでも受講者のモチベーションをアップできます。さらにZOOMの機能を利用するのも良いでしょう。
参考記事:オンライン配信が盛り上がるポイントとは
まとめ
オンライン研修では、受講者にとっても運営側にとってもメリットとデメリットがあります。
受講者にとって場所を問わず参加できる利点はありますが、運営側にとってはその分事前準備や進行プログラムをオンライン向けに工夫する必要がでてきます。実施するオンライン研修の内容や受講者の状況によって準備することも異なります。
当社サービスとして、各オンライン配信に対応した「進行プログラムサンプル」や「簡易版の準備物リスト」をご用意しております。担当者様のご負担軽減になればと思っておりますので、是非ダウンロードいただければと思います。
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